賢い人はわかりやすい

自分の友達の話をその友達のことを知る訳がない相手に対して知らない訳がない風に話す子供がいる。
当然相手はその人のことを知らないから、ぽかーんとしてしまう。


うちの職場は業界の性質からJavaを一切知らない人で構成されている。一人を除いて。
彼は前の職場でJavaのアプリを作っていた。うちの会社ではかなり稀な類の人だ。

彼は相手が理解しているかどうかに関わらずJavaの用語で話す。
(私は趣味で多少はJavaをかじったことがあるから、彼がJava語で話していることくらいはわかる)
例え話をするときにJavaフレームワークJavaの特定のクラスを持ち出したりする。
当然相手はJavaを知らないから、ぽかーんとしてしまう。

まあITエンジニアとしてうちの職場の大半の人が勉強不足なのが悪いと言えなくもないけれど、それ以前にJavaの彼が人間として根本的にコミュニケーション能力にかけているように思う。
お客様との打ち合わせ中に他の社員と口論し始めたりする。もう恥でしかない。
彼が議事録を書くと彼がそうあって欲しいとか、相手がそう考えているに違いないなどと言った、自分に都合のよい風の議事に勝手に変えてしまう。話をすると本当にそういう風に思い込んでいるようで、話す能力だけでなく聞く能力もどうにもならないようだ。


この記事の結論は、相手の目線・立場に立って話したり考えたりできない人間は子供だ、と書こうと思っていたのだが、ふと考え直してみた。
子供でもある程度の知能レベルならばきちんと相手の立場に立って話すことができるのではないだろうか。
単に子供のほうがバカ率が高いから、そういう子供が多いように思えるだけで、大人でも相手の目線・立場に立って話したりできない人は子供というわけではなく、単純にバカなのではないだろうか。


この逆の例を思い出した。
私がとある打ち合わせで議事録を担当ときのこと。やけに発言内容を議事に残しやすい人と、異常に残しにくい人に二分されることに気がついた。二分と言っても、ひとりが際立って議事録を書きやすかったので、一人対その他なのだけれど。
で、その一人のプロフィールを知り納得。灘中→灘高→東大というまさにエリートコースを歩んできた人だった。学歴だけで人の能力ははかれないとは思うが、このコースだとまぁまず間違いなく賢い人だろう。

本当に賢い人は相手が理解できないような高度で難しい話をする人ではなく、相手の能力やレベルに合わせて適切な言葉を使い適度に噛み砕いて適切なストーリーで話せる人なのだな、と思った。前述のJavaくんはまさに真逆を行っているわけだ。技術だけはそれなりにできるだけに本当にもったいない。


さて、実はその議事録の対象となった会議の参加者は、皆日本の理系でトップクラスの研究所の人たち。
とにかく小難しい単語や無意味な英単語を入れたり、とにかくべらべらべらべらしゃべったりする人たちばかりだなぁと思っていたのだけれど、きっと皆様対して賢くないのに自分を賢く見せるために背伸びしている人ばかりなのだな、と感じられ、急にしょぼく見えてきた。プライドのかたまりみたいな人たちばかりだし。