企業における社員用メーラーは社内Webメールに限定すべきだ
IT化が進んだ企業にとっての脅威といえばウイルス。そのウイルスの最大の感染源はメールといっていいだろう（最近はWinnyかもしれないけれど）。
MicrosoftがWindowsにくっつけて配布しているOutlook ExpressなんかはデフォルトがHTMLメールだったりすることもあって、（そしてなによりMicrosoftだというそれだけの理由もあって、）クラッカー達の格好の標的とされる。
実はクライアントにインストールする従来のメーラーにはもうひとつ重大な問題がある。
多くの企業が社員に使わせるメーラーはOutlookだったりOutlook Expressだったりする。世間的にはその脆弱さや使いにくさのために評判が悪い場合も決して少なくないこの二つのメーラーだけれど、企業の視点で考えるとMicrosoftが提供しているものだという理由でこれを選択することになる可能性が高い。
しかしOutlookやOutlook Expressは前に述べたようにクラッカーの標的だったり、なぜか独自のプロトコル拡張をしていて他のメーラーの利用者には迷惑なことこの上ないメールを送信するような仕様になっていたりする。
ちょっとパソコンに詳しくなってきたオジサンなんかは、勝手にBeckey!や鶴亀メールなんかを入れたりする。当然会社的には推奨していないメーラーになってしまうので、会社が購入してくれるわけもない。自腹をきったり、もっとひどいことをするなどして、業務活動においてライセンス違反をしていたりすることになる。
会社が柔らかい頭を持っていてBeckey!やら鶴亀メールやらを社内標準メーラーにしてくれればいいのだろうけれど、ちょっと大きい会社では「そんな小さな会社が作ったものを標準にして、提供されなくなったらどうするんだ！提供され続ける保障はあるのか！バグはちゃんと速やかに直してくれるのか！」となって、それはそれで正論なのでやっぱりOutlookやらOutlook Expressしか使わせてもらえないだろう。
さらに、個人的にもっとも問題だと思っているのは、ＰＣのクラッシュに伴うメールの喪失だ。メールはいまやビジネスに欠かせないツールとなっている。にもかかわらず、それが保存されているのは極めて信頼性の低いパソコンに搭載された極めて信頼性の低いＨＤＤの中であったりする。こんなものいつ壊れていつ消えてもまったく不思議ではない。かといって社員全員が自身のＰＣを毎日バックアップを取るなんてことも考えにくい。そもそも毎日バックアップしたって最大２４時間分のメールは消えてしまうことには違いない。
OutlookやOutlook Expressはウイルスの危険が伴うし、かといって他のメーラーを許すわけにもいかない。さらにはビジネスにとっても大事な情報が日々喪失する危機にさらされている。さて企業はどうしたらいいものか。
で、そんな問題をすべて解決する方法がある。
POP3やSMTPサーバの公開を停止して、Webメールにすべて移行すればいい。
Webメールにすると、
(1) 間違いなく社内標準のメーラーになる
→社員教育が楽チン。しかも危険極まりないOutlookやOutlook Expressではない。
(2) 個人的理由でのメール利用を減らせることができる
→実際にスクリーニングしなくたって、検閲しているなどといったウワサはきっと蔓延するだろう
(3) 個人利用端末のクラッシュによるメールの喪失を防げる
→一担当者がやりとりしていた重要なメールがＰＣという極めて信頼性の低いハードウェアの故障により消えてしまうことがなくなる
(4) ライセンス違反のメーラーのインストールを防ぐことができる
→通常会社が推奨するメーラー以外を勝手にインストールしても無駄になる
(5) クライアントアプリを一斉にバージョンアップしなくてはならないなどといった悪夢から逃れられる
そんなこと言ったって社員は勝手にメーラーをPCにインストールしちゃうよ！と思うかたもいるかもしれないが、社内Webメールを社員に確実に使わせる方法はたったのひとつ。
POP3やSMTPのサーバを社員に対して公開しなければいいだけ。Webメールサーバからのアクセスしかできないようにすればよいだけのこと。
最近流行りのAjaxなんかのおかげで、ブラウザ内でのドラッグ＆ドロップなんかもできるようになっていて、Webメーラーであってもクライアントのメーラーとなんら遜色ないものが作れるということがわかっている。社内のメールをWebメールに移行しない理由が考えられない。
そういった意味では社内Webメールシステムを開発して売り歩いたら結構儲かるかもしれないなぁ。だれかやってみない？若干のアイディア料だけくれればそれで良いので。。。
