携帯を作っているヤツは親孝行していないのか

とんでもない普及率を誇る携帯電話。
持っていない人の方が少ないという時代だ。


最近妻のお母様が携帯電話を購入したのだが、なかなか苦労している様子。
まず新規メールを作成できなくて困っていた。
さらに小さい「っ」を入力できなくて困っていた。
そしてメールの件名をつけることができなくて困っていた。


そういえばうちの父も内蔵カメラの使い方がわからなくて困っていたりしたし、着信履歴からしか電話帳の登録ができない人を見たこともある。


よくよく携帯電話を眺めてみると、そういえばとってもわかりにくい。わかっているところも使いにくい。
ご年配のかたはもちろんのこと、若い人だって携帯の機能をフルに活用している人なんてほとんどいないと思う。実際、自分だっていまいち理解しきれていないところは多々ある。


作っているやつらにだって親や友達はいるだろう。その人たちからいかに使いにくくて困っているという話を聞くことだってあるだろう。なにしろこれだけ普及している携帯電話の使い勝手の悪さについて、顧客がいかに迷惑しているかが彼らの耳に入っていないとは思えない。にもかかわらず、この使いにくさをいつまでも改善しないというのはどういうことなのだろう。


結局作っているやつらの怠慢だと思う。メール作成はいかにもパソコンのメーラーをベースに考えてしまっているっぽいし、ほとんどの携帯が電話帳やオプション設定で採用している階層構造になっているメニューは、作る側からすると機能が整理されていて作りやすいだろう。しかし階層構造をとっているがために、頻繁に使う機能と携帯を買った人の100人に1人がその携帯を持っている間に一度使うか使わないか程度の機能がまったく同じ階層に存在したりする。
作る側にとって一度作ると決まった機能は同程度の重要度なので、似たジャンルの機能は同じ階層に登場するのがごく自然だろうから作りやすいであろうことは容易に想像できるけれど、そこではユーザーの使い勝手は無視されていて、ユーザーに対して日々ストレスを与え続けている。


使いにくいものを平気で作っていても、世の中には使いにくいものしか存在しないために使いやすさを改善しなくったって売れてしまう。売れるから改善することなく、よりユーザーにウケがいい機能、たとえばカメラとかテレビとかをくっつけてその分値段を上乗せして売りつけている。もしかしたら使いにくいことはわかっているのにもかかわらず、そこを改善するつもりはさらさらないのかもしれない。しかしそのような目新しい機能はその機種ひとつを顧客に買わせるのにはいいかもしれないが、基本的な使い勝手が洗練されればそのメーカーの携帯を選び続けると思うのだが。


そういえば去年も似たような記事をかいたな。
http://d.hatena.ne.jp/coredumped/20050326/1140956340